割れる前よりも美しくなる!?誰でもできる!金継ぎで陶器の修復
食卓からシンクへ食器を運んでいるときや、洗い物の途中、はたまた引越しの準備中、などなど。ついつい手がすべって、大切な陶器の食器が割れてしまった……。
なんてこと、みなさんも一度や二度は、経験したことありませんか。
一度割れてしまうとそのまま捨てるしかないのかな、と思われがちですが、ご安心を。実は陶器は修復できるんです。しかも、割れる前より魅力的な状態になることだってあるんですよ。
今回は、陶器の修復方法について、ご紹介をします!
陶器の修復には「金継ぎ」が一番
思い入れのある器ほど、割れた後のショックは大きいものです。そんなときは、「金継ぎ(きんつぎ)」を行ってみてはいかがでしょうか。
金継ぎとは、割れたり欠けたりした器を漆で接着し、継いだ部分を「金」で装飾しながら修復する、日本の伝統的な器の修復方法です。
おしゃれな飲食店やカフェなどでも、意外と金継ぎされた食器が使われていたりすることもあるので、目にしたことがある方も多いのではありませんか。
金継ぎの魅力は、偶然のヒビや欠けに「金」を施すことで、元の器とはまた違った風合いが出てくることです。
計算されてできる模様ではないものだからこそ感じられる、新たに器に吹き込まれた、風情と味わい。そんな情緒豊かな器に感じられるようになるのも、金継ぎの魅力のひとつです。
金継ぎのやり方とは
では「金継ぎ」はどのようにやれば良いのでしょうか?
最近では、金継ぎセットが販売されていたり、壊れた食器を持ち寄って行われる「金継ぎワークショップ」なども増えています。一度誰かにコツややり方を教えてもらいたい、という方は、まずはそのような場に足を運んでみてもいいでしょう。
もしご自宅でチャレンジしたい場合には、以下の要領で行ってみてください。
- 割れた器・破片を用意し、マスキングテープやセロテープなどで断面以外を全て覆います。また乾いた布などで全体を丁寧に拭いてほこりなどが付いていない状態にしましょう。
- 接着剤となる漆を断面に塗っていきます。
- 接着剤と破片を貼りあわせていき、できるだけ元の形に戻していきます。
- 漆が乾いたら、断面からはみ出た漆を、平らに削っていきます。
- 継ぎ目に塗った漆の上に金粉をまき、のせていきます。
- 再び乾燥させて、耐水性のペーパーサンドで磨いていきます。
- 最後に鯛の牙を用いて磨き上げて、金継ぎの完了です。
このように、金継ぎは、素人でも自宅で手軽にできる修復方法のひとつなんです。道具さえあれば、誰でも簡単にできそうですよね!
ほかにも陶器の修復にはこんな方法が
金継ぎのほかにも、陶器用の接着剤を使う方法や、専門のお店に壊れた器を郵送して直してもらうという方法もあります。
気に入っている器は、できるだけ自分の力で直したい、という方は、金継ぎセットや接着剤を自分で用意をして修復作業をするのがいいでしょう。自分でやるのは面倒だと感じる方は、専門の業者の力を借りて修復依頼をするのもアリだと思います。
また、修復するのではなく、あえて壊れたまま使用するという型破りな方法も。庭先の植物の根元に割れた面を土中に埋めて飾るだけで、新たなインテリアのようにも使うことができます。まさに、逆転の発想ですね!
修復で陶器を長く使い続けよう
新しい器に生まれ変わるほどの魅力をもった「金継ぎ」の力を理解いただけたでしょうか。一度割れたからといって、器をそこで捨てるのはもったいないです。
自分の手で直した食器は、形が少しいびつだったとしても、長く大切に使い続けていくものになるはずです。もし手元に捨てられない食器があるときは、ぜひ試してみてくださいね。
photo/PIXTA
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