意外に知らない!?砂糖の使い方と料理の『さしすせそ』が有効な理由
料理に欠かせない調味料。中でも砂糖は、お菓子でふんだんに使われているので甘党にはとくに馴染み深いですよね。あまりにも身近な調味料だけに、普段深く考えずに使ったり口にしていたりするかもしれませんが、実は砂糖には多くの種類があり、様々な効果を発揮する調味料なんです。
今回は、砂糖に関する豆知識と知られざる砂糖の秘密に迫ってみたいと思います。
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料理の『さしすせそ』わかりますか?
料理好きならば聞いたことがある言葉だと思いますが、初めての人にとっては一体何のことやら?と、サッパリ意味がわかりませんよね。
料理の『さしすせそ』とは、下記の調味料から一字を取ったもの。さらに、この順番で加えていくと料理が美味しくなるというコツを覚えやすくしたフレーズなんです。
- 『さ』……砂糖
- 『し』……塩
- 『す』……酢
- 『せ』……醤油(昔は”せうゆ”と書いていました)
- 『そ』……味噌
どれも料理の味を決める、基本の調味料ばかりですね。
『さしすせそ』の順番には3つの理由があります
では、なぜ『さしすせそ』の順番がいいのでしょうか?それには、いくつかの理由があります。
1.分子の大きさが違うから
いきなり実験のような言葉が出てきてびっくりですが、実は料理と科学はとても関係が深いのです。
分子とは物質を構成する最小単位。砂糖の分子が一番大きく、その次が塩です。分子が大きい砂糖より小さい塩を先に入れてしまうと、塩が食材に入り込んでしまいます。そうすると後から砂糖を入れても、すでに塩が食材に入り込んでいるため味が染み込みづらくなってしまうというわけなんです。
2.浸透圧を活かすため
浸透圧とは、半透膜を真ん中に挟んで濃度の違う液体を容器に入れると、低濃度の液体が高濃度の液体の方へ移動して、お互いに同じ濃度になろうとする作用。
料理での浸透圧は水分と塩分の移動を意味し、塩分は食材の中の水分に移動して味のバランスを保とうとします。この作用を利用することで食材に味が入りやすくするため、二番目に塩を入れます。
3.風味や香りを残すため
料理の美味しさは、味の他に香りや風味も大きく関係します。酢、醤油、味噌は発酵させている調味料で、微生物が生きているゆえの風味や香りが特徴。火を通し過ぎると微生物が死んでしまって、せっかくの風味や香りが飛んでしまうのです。とくに味噌は、火を通しすぎないことが美味しさを引き出すコツ。だから、最後に入れるのがいいというわけなんです。
ただし、上記の順番は科学的根拠に基づいた使用例であり、必ずこの順番じゃないとダメ!というものではありません。あくまでも知識のひとつとして頭の隅に置いてみてください。
砂糖の使い分けのコツ
砂糖と聞いて思い浮かべるのは、真っ白でサラサラの白砂糖ではないでしょうか。他にも様々な種類があり、次のような使い分けをすることが多いです。
- グラニュー糖……欧米でよく使われている小~中ぐらいの結晶のタイプ。ケーキなどのお菓子作りによく使われます。
- 粉砂糖……グラニュー糖をさらに細かくしたタイプ。見栄えがいいので、ケーキやスイーツに振りかけて装飾用として使います。
- ザラメ糖……結晶が大きいのがポイント。少量ずつ利用することが多く、紅茶・コーヒーの甘味料としてよく使われます。
こんな使い方も!
研磨剤として石鹸に砂糖を少量混ぜて油で汚れた手を洗ったり、切り花に栄養を与えて長持ちさせる目的で、ぬるま湯に砂糖と酢を混ぜて活けたりという使い方もあります。
コーヒーミルの豆を入れる部分に計量カップ1/4杯分の砂糖を入れてコーヒー豆と同じように3分間挽くと、こびりついた油分や臭いを吸収する働きもあるとか。
料理以外にも上手に使って、砂糖を生活に役立ててみましょう。
監修:福田信厳(家事代行サービスCaSy・お料理研修講師)
photo/PIXTA
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