早生まれは不利?早生まれの子が小学校で遅れないための心得
一人一人を見てくれる幼稚園・保育園と違い、小学校では「早生まれだと学校の勉強について行くのが大変そう」とか「体力的に不安」と不安になってしまうお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。
これからお子さんが小学校に上がる方にむけて、実際のところ早生まれは不利になってしまうのか考えてみましょう。
ところで私には三人の娘がおります。それぞれ、長女と三女が5月生まれ、次女だけが1月生まれで「早生まれ」。長女や三女の時とは違った心配がありました。早生まれの子を持つお母さん・お父さんの気持ち、お察しします。
そもそも早生まれって?
まずは「早生まれ」という言葉の定義をおさらいしましょう。
「早生まれ」は1〜3月生まれの子をいいます。4月1日生まれまでを含めるそうです。
なぜ「早生まれ」と呼ぶかというと、基準が「年度」ではなく、「誕生年」がだから「早い」のだそうです。
と、サラッと書きましたが、たった1日の違いで学年1つ変わってしまうのですから大ごとですね。
4月2日生まれの子と4月1日生まれの子では、実に1年もの開きがあるのですね。子どもが小さければ小さいほど「月齢」の開きは大きいもの。
6年前は生まれたばかりの新生児と、立っちもできる一歳児だった、と考えるとその差に愕然としてしまいます。
そういえば、私が子どもの頃、同じクラスに「4月1日に生まれたけれど、出生届は2日にしたらしい」という子がいました。エイプリールフールの冗談だと思っていましたが、早生まれでクラスの中で一番小さいよりは、2日生まれとして先頭を走ってリードして欲しいという親心だったのかもしれませんね(実際、その子がほかの子と比べて「お兄さん」だったかどうかは記憶にありませんが)。
早生まれはスポーツでは不利?
さて、早生まれの子が同学年の子より月例が少ないと言うことは、学力や運動の面で何かと不利ではないかといわれています。
そして実際に「不利」という衝撃のデータもあるそうです。
まずは体格ですが
日本サッカー協会がJリーグ各クラブのジュニアユース(中学生)の体格を調べた結果、中学1年生の1〜3月生まれの子と4〜6月生まれの子の体格はやはり違うようです。
平均身長
4〜6月生まれの161.0cm
早生まれは154.4cm
そうなると運動能力も差が出てきます
30mダッシュのタイム
4〜6月生まれ4.75秒
早生まれは4.88秒
サッカーや野球の選手の生まれ月の統計を取ったところ、4〜6月生まれが最も多く、早生まれの選手は少ない、という結果になったそうです。
体の大きい子の方が試合などで活躍する機会が多くなるため練習量も増える。もともとの資質にいいものを持っていても、早生まれの子にはチャンスが巡りにくいため、必然的に実戦数や練習数が減って、差が出てしまうという傾向があるのだそうです。
そう言われればその通りなんでしょうけれど、早生まれの子のママ・パパとしては、生まれたタイミングのせいで優れた資質が埋もれてしまうのはもったいないと、モヤモヤしてしまいますよね。
ただこれは統計上の「傾向」ですし、持って生まれた能力にも発達の進度にも個人差があります。
さらに、個人競技の場合は影響は少ないようです。体の小ささや線の細さが有利に働くフィギュアスケートでは早生まれの選手が多いという統計もあります。
また、同じく小柄で細身が有利な競馬のジョッキーも早生まれが多いと言われています。
早生まれと遅生まれ、学力の差も?
小学校入学当初や低学年の頃は月齢の高い4、5、6月生まれのほうが圧倒的に学力でも勝っていることが多いようです。しかし、学年が上がるにつれて、その差はほとんど無くなると言われています。
でも……がっかりすることに「学歴においても早生まれはわずかに不利」という研究結果も存在するのです。
ほんのわずかの差ですが、体格・体力だけでなく、学力までも不利になってしまうとは、早生まれはやはり損な一面があると思ってしまいます。
では、親としてどうフォローしてあげればいいのでしょうか。
早生まれの子には自信を持たせ、長い目で見守ろう
早生まれの子を持つお母さん・お父さんが、うちの子は不利だと遅れを嘆いたり、同じ学年の「できる子」と比べるのは百害あって一利なしです。
たしかに学校生活では、劣等感を感じてしまう場面もあるかもしれません。
でも、それは「そのクラス内での順位」であって、学年の切り取り方がもし変われば移動してしまう程度の順列でしかありません。
もっと大きな視点で子どもの発達を見守り「自尊心」「やる気」を育てるような働きかけをしていきましょう。
他の子とではなく、過去のその子自身と比べてみてはどうでしょう。去年と比べれば大きく成長していませんか?
(子育てNGワードの専門家でライターの曽田照子)
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