いくら子どもでも……モノやお金で釣ってはいけない3つの理由
こんにちは。子育てNGワードの専門家・曽田照子です。
子どもが言うことを聞かないとき、あなたはどうしていますか?
「お菓子をあげるからおとなしくしなさい」とか「100円あげるから勉強しなさい」とか、モノやお金で釣ろうとしていませんか?
ごほうび作戦は、うまく使えば効果的ですが、たとえて言えば劇薬のようなもの。
モノやお金で釣るのが習慣になってしまうと、子どもの心の発達によくありません。
今回は、子どもを物やお金で釣ってはいけない理由を3つお伝えしましょう。
■理由1:金額がだんだんエスカレートしがち
あるお母さんが「小学1年のうちは10円のごほうびで喜んでいたのに、3年生になったら100円でも安いと文句を言うようになった、6年生になったら一体どんなごほうびを要求されるのかしら」と戦々恐々としていました。
最初のうちはささやかなごほうびで喜んでいても、人の感覚は同じ刺激ではだんだん麻痺してきます。そのためごほうびは、エスカレートするものです。
何かいいことをするとモノやお金をもらえるのが当然と思い込み「もっといいごほうびをくれないと動かない」なんてわがまま言うようになってしまう、ということがよくあります。
■理由2:本当の魅力・楽しさを味わえなくなる
あるテレビ番組で、こんなエピソードを見ました。
自宅の隣の空き地で近所の子どもが遊ぶのをうるさいと感じた男性が、子どもたちに「この空き地に遊びに来たらお小遣いをあげよう」といって、全員に小銭を上げたそうです。しばらく「遊びに行くだけでお小遣いがもらえる」と子どもたちは喜んでいたのですが、やがて「もらえて当然」となったころに男性は「もうお小遣いはなしだ」と突然打ち切ったのだそう。すると子どもたちは「お金がもらえないならもう行ってもしょうがない」と空き地に遊びに行くのをやめたそうです。
「ご褒美のためだ」となると、それが楽しいことでも「仕事」になってしまいます。
お金のためだけに働いているサラリーマンが仕事を嫌っているのと同じ心理です。
勉強やスポーツ、お手伝いなどはお金や物以外の動機をつけてあげたいと思います。
たとえば
勉強なら「点数が上がった」というゲーム感覚の達成感や、「知識が増えるのが楽しい」という知的興奮
スポーツなら「上達した」という達成感、勝利の喜び、チームプレーの楽しさ、かっこいい選手への憧れ
お手伝いなら「自分も家族の役に立っている」という実感、家族の一員だという帰属感。「ありがとう」という感謝に誇らしい気持ち
モノやお金以外で得られるモノはこんなに沢山あるのです。
■理由3:お金にならない仕事を馬鹿にするようになる
「外で働いているお父さんは偉くて、家で家事をするお母さんは偉くない」という子がいました。理由を聞いてみると、お父さんが偉いのはお金を稼いでくるからだそうです。
そういう価値観のご家庭かもしれませんが、外で働くことばかりが仕事ではありません。家事も立派な仕事です。
でも、ふだんからごほうびに釣られることで「ものやお金と引き換えできるものにしか価値がない」という価値観になってい子どもは、お金に換算できない仕事の大切さを理解できず、低く見るようになってしまいかねません。
子どもをモノやお金で釣ってはいけない理由をおわかりいただけたでしょうか?
釣ってはいけないのですが、どんなにがんばっても「ごほうび無し」は辛いものです。
がんばったとき、成果が出たとき、誕生日やクリスマスなど、たまのごほうびは、子どもの励みになります。特別な日にスペシャルな何かをプレゼントするのは悪いことではありませんよ。
参考「ママが必ず知っておきたい!子どもの前でやってはいけないこと55」(メイツ出版)曽田照子
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