後悔してからでは遅い!「安心・安全」のための家の選び方・条件
親である以上、子供の命や安全は何よりも大切に感じているはずです。しかし、実はどこよりも安全であるはずの家庭内で起こる事故によって、毎年一定数の子供の命が失われていることをご存じでしょうか。子供が安全にのびのびと暮らす家を手に入れるには、一定の条件や選び方があります。
Contents
■家庭内で起こる事故が生む悲劇
小さな子供の命が失われる原因として、もっとも多いのは「不慮の事故」です。しかもそのうち半数以上は、家庭内で起きています。
厚生労働省の発表している「人口動態統計年報(2014年)」を見てみましょう。これによると、0~9歳までの子供の亡くなっている事故の種類は、「転倒・転落」「不慮の溺死及び溺水」「その他の不慮の窒息」「煙,火及び火炎への曝露」「熱及び高温物質との接触」などです。
家庭内で起こる事故の具体的な内容は、階段やベッド、ベランダからの転落や、浴槽での転倒や溺死、誤嚥(ごえん)や誤飲による窒息や中毒、調理器具や食べ物、飲み物、暖房器具などによるやけどといったものが考えられます。
■事故を防ぐための家選びのポイント
事故を防ぐための家選びを成功させるには、事故の例を知り、その可能性を潰していく必要があります。
○転落を防ぐためのポイント
小さな子供は昨日までできなかったことが、突然今日になってできるようになることも珍しくありません。「まだ寝返りは打てないはず」と思っていると、ベッドやソファから転落することがよくあります。
「階段は登れないはず」と思っていると、いつの間にか登っていることも。子育て家庭には1階から2階までストレートな階段ではなく、途中に踊り場がある折れ階段がおすすめです。しっかりとした手すりが付いていて、段と段の間にすき間がないタイプを選びましょう。2階以上の窓のそばには、子供がよじ登れるようなものを置かないよう気をつけます。
○やけどを防ぐためのポイント
キッチンでは日常的に火を使います。たとえIHクッキングヒーターを採用していても、熱湯が沸かしてあったり湯気が噴き出す炊飯器があったりして、とても危険です。
「危ない」といってもわからない小さな子供のうちは、キッチンにカギをかけたりベビーガードを設置したりすることで、入れないようにできる構造が安心です。暖房器具は、火を使わない床暖房やエアコンを選ぶとよいでしょう。
○浴室内の事故を防ぐためのポイント
浴室は家庭内でも事故が多い場所です。子供は10cmほどの水深で、溺れる可能性があることをご存じでしょうか。浴槽への転落による溺死を防ぐために、風呂上がりには浴槽の水を排水しておきましょう。蛇口から熱湯を浴びて死亡する子供もいるので、浴室にはカギをかけられる方が安心です。
浴室の床が滑りやすい素材だと、転倒によって頭を強打する可能性もあります。近年では滑りにくく乾きやすい床材が一般的になりつつあるので、そういったタイプを選びましょう。
■かけがえのないわが子の命を守るために
筆者は4歳の子供を持つひとりの母親であり、子供を失った方の気持ちを想像しただけで、胸が張り裂けそうな思いに駆られます。おそらくこれを読んでいる方の多くも、同じ気持ちなのではないでしょうか。
家は何度も購入できるものではありません。そしてそれ以上に、わが子の命は何ものにも代えがたい宝物です。その宝物を守るために、安心して暮らせるわが家を選ぶとともに、子供の目に届く場所から危険を遠ざける努力や工夫が必要です。
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