男女間に大差あり!「イクメン」という言葉の解釈
「イクメン」という言葉が当たり前に使われるようになってずいぶん経ちますが、働く女性の中にはこの言葉を聞くと、何となくイヤーな気分になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。その原因の多くは、男性と女性の解釈の違いにあるように思います。そこでここでは、男女間における解釈の違いと、問題の解決策を探っていきましょう。
Contents
■そもそもイクメンって何?
かっこいい男性を指す「イケメン」をもじって誕生し、2010年には流行語大賞にもノミネートされた言葉「イクメン」。この言葉の定義は、明確に決まっているわけではありません。ただ、厚生労働省が運営する「イクメンプロジェクト」のオフィシャルサイトを見ると、「イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと」となっています。
「イクメン」という言葉には、育児をする男性に対する賞賛が含まれているように思われます。男性が育児をすること自体は確かに素晴らしいことですが、女性はどれだけ育児に時間を割いていても、「イクジョ」と呼ばれることはありません。この言葉がこれだけもてはやされるということは、「育児は基本的に女性がするもの」という意識が日本で定着していることの裏返しでもあります。働く女性の多くは、このことにいら立ちを覚えることが多いようです。
【男性の思うイクメンと女性が理想とするイクメン】
イクメンの定義から考えても、どの程度育児に参加すればイクメンにあたるのかということはわかりません。このことから男性の多くは、「少しでも育児に参加すればイクメン」だと思っているのではないでしょうか。
それに対して働く女性は、夫に自分と同等か、そこまでいかなくても主体的に育児に取り組む様子が見られなければ、夫がイクメンだと自称することに納得がいきません。自分よりも家事や育児に関する負担が少ない夫ばかりが、評価されているように感じられるためです。
◼︎育児を「手伝う」ということ
皆が皆そうとは限りませんが、男性の中には家事や育児を自分からするのではなく、妻からいわれて「手伝う」人が多いように感じます。いわれたことしかしなかったり、少しでもやったら「俺はイクメンだから!」と豪語してはばからなかったり。外出先(人前)でばかり子供の世話をして、自宅では何もしないという人さえいる始末です。
女性が家庭を守り、男性が働きに出るという社会構造が定着していた時代には、少しでも家事や育児に参加することには大きな意味があったかもしれません。しかし近年では、働く女性に対しても男性と同等の活躍が求められています。そうである以上、男性にも女性と同じレベルで家事や育児に参加することが期待されても無理はありません。
家事にも育児にも仕事にも責任を持たされている女性たちからすれば、「イクメンだっていうなら、私と同じくらい積極的に子育てに参加してよ!」と思ってしまうわけです。
【自称イクメンはおだてて本物に】
男性と女性の間にある解釈の違いを埋めるには、男性が主体的に育児にかかわる姿勢が大切です。おむつが濡れていたら妻を呼ぶのではなく、たとえうんちでも自分で替える。お腹が空く時間だと思ったら、ミルクをつくって飲ませる(母乳の子をのぞく)。子供が構ってほしそうだったら、一緒に遊ぶ。それを続けている男性は、自然と妻をはじめとする周囲から「イクメン」と呼ばれるようになっていきます。
ただし、夫が「イクメン」を自称するタイプなら、(どれだけイラッとしても)おだてて本物のイクメンに育て上げましょう。「助かるわ」「○○ちゃん、パパと一緒だとうれしそう」「すごーい!」。ことあるごとにこのような言葉をかけることが、自分の負担を減らすことにつながります。
この記事を読んでいる人は
こんな記事も読んでいます