『たかいたかい』は要注意!気をつけたい、赤ちゃんのあやし方
いつもと視界が変わるので、ご機嫌ナナメだった赤ちゃんも泣き止む『たかいたかい』。子どもがぐずっていると、やりがちですよね。しかし、実はこの『たかいたかい』には危険も……。やり方によっては『揺さぶられっこ症候群』を発症する可能性があるのです。
楽しく遊んでいたはずなのに、急に元気がなくなった。そんな事態に陥らないように『揺さぶられっこ症候群』について正しく理解する必要があります。「あれ?大丈夫かな?」と思った時にチェックするべきポイントをしっかりと押さえて、赤ちゃんを危険から守りましょう!
『揺さぶられっこ症候群』とは?
『揺さぶられっこ症候群』とは、乳児をあやす際に頭を前後や左右に大きく揺さぶることで、網膜出血や硬膜下血腫、クモ膜下血腫を引き起こすことを言います。正式には『乳幼児揺さぶられ症候群』と言い、言語障害や学習障害を引き起こす可能性も。新生児期から生後6ヶ月未満の乳児がなりやすいと言われており、死に至るケースもあるので注意が必要です。
ただし、普段の生活やお世話の中で『揺さぶられっこ症候群』になる可能性はほぼありませんので、神経質になる必要はありません。
こんなあやし方は危険!
赤ちゃんが泣き止まない時は、どうにかしたいと必死にあやすことも。でも、このような動作は危険です。
- 頭が前後や左右にガクガク揺れるほど揺さぶる
- 体全体を激しく揺さぶる
- 体を20分以上揺さぶり続ける
- 『たかいたかい』で赤ちゃんを空中に投げてキャッチを繰り返す
- 赤ちゃんを両手で抱えて急激に持ち上げ、下ろすことを繰り返す
首がすわっていない乳児は揺すった時の振幅が大きく、衝撃を受けやすいので、新生児~生後6ヶ月ぐらいまではとくに注意しましょう。それ以後も、体や頭部、頸部などが発達途中なので、2歳頃までは頭や脳に衝撃を与えるような揺さぶりをしないように気を付けて。
こんな症状に注意!
「揺さぶってしまった」という心当たりがあり、下記のような症状がある場合は、すぐに脳外科がある救急病院に搬送しCTもしくはMRIの検査を受けましょう。
- 母乳やミルクを飲まない、もしくは嘔吐する
- 笑わない
- けいれんがみられる
- 長時間眠り続ける
赤ちゃんはよく眠るものですが、半日以上、母乳やミルクを飲まずに眠り続けていたり、起こしてもすぐにまた寝てしまうような時は注意が必要です。こんこんと眠っているような場合は、「長時間眠り続ける」症状に該当しますので、よく観察してみてください。
このような症状が見られたり、普段と様子がちがう時は、すぐに受診するようにしましょう。
泣き止まなくてイライラしても、揺さぶらないで
ミルクを飲ませた、オムツも替えた。それなのに、赤ちゃんが泣き止まない時ってありますよね。「どうして泣きやんでくれないの!?」と揺さぶりたくなる気持ちはよくわかります。でも、強く揺すったからといって泣き止むものでもないので、まずは「泣きやまなくても大丈夫」、「今は泣きたい気分なのね」と余裕を持って接しましょう。周囲の安全を確認してから、赤ちゃんを布団に寝かせてその場をいったん離れ、あなたが落ち着きを取り戻すというのもいい手段です。
泣きやまない赤ちゃんに対応するのは、本当に大変なこと。もし、どうにもできないと感じたらひとりで抱え込まず、家族や周囲の人を頼りましょう。保健センターや児童相談所、子育て家庭支援センター、虐待防止センターに連絡をするのもひとつの方法です。
赤ちゃんはとてもデリケートで繊細です。柔らかくて小さな乳児のお世話をしていると不安に感じることも多くありますね。でも、バウンサーの揺れやゲップを出すために赤ちゃんの背中を叩くことなど、普段のお世話やあやし方ならまず『揺さぶられっ子症候群』になることはありません。また、毎日のお世話の中でもちょっとした衝撃はつきものなので、過剰に心配する必要はないでしょう。
いつも赤ちゃんのお世話をしている親が感じる違和感は、超高性能のセンサーみたいなもの。「大丈夫かな……」と思ったら、まずは赤ちゃんの様子をしっかりチェックしてくださいね。
photo/PIXTA
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