子どもが“ぬり絵”を通して身につける、とっても意外な力とは?
誰もが子どもの頃、ぬり絵をしたことがあるはず。近ごろは大人用のぬり絵も書店に並び、人気になっていますよね。大人も子供も思わず夢中になってしまうぬり絵には、実は様々な効果があるんです!
Contents
ぬり絵をさせることには“意味”がある
単なる遊びと捉えがちなぬり絵ですが、集中して手先を動かし色をぬるという作業は、楽しさだけではない多くの効果をもたらしてくれます。
その1. カラーセラピー効果
それぞれの色の系統によって、気分を高めたり鎮めたりする作用があることがわかっています。赤やオレンジ、黄色などの暖色は、脳や体の活動を活発にして体温を上げる作用があり、食欲を増進。緑や青などの寒色は、興奮と緊張を鎮める作用があります。
そこで、色の効果を利用してみてはいかがでしょうか。例えば子どもを落ち着かせたいときは、山や海など自然のぬり絵を取り入れ、少し元気がないかな?という時はりんごやひまわりのぬり絵を選んでみるのもいいですね。
ただし、親が思ってもみない色を使ったとしても、ぬり絵は自由な発想が一番なので、咎めずに温かく見守ってあげてください。
その2. 自律神経を整える効果
体を活発な状態にする交感神経と、体をリラックスした状態にする副交感神経というふたつの神経のバランスが整っているのが良い状態。自律神経の乱れが、イライラや無気力の原因になっていることもあります。
ぬり絵は、色を選ぶ時の考える作業が副交感神経を優位にし、ぬるために手先を動かす作業が交感神経を優位にします。この繰り返しが脳に刺激を与えて自律神経を整える効果を発揮します。
その3. 親子の絆を深める
一緒にぬり絵をすることで、同じ時間を過ごし、色を最後までぬるという同じ目的を共有できます。それが、お互いの心を満たし、親子の絆を深めることに役立ちます。
ぬり絵で活性化されるさまざまな能力
他にも、ぬり絵によって子供の様々な能力を活性させる効果を期待できます。
集中力を高める
線からはみださないように注意深く色鉛筆を動かす作業は、集中力を鍛えます。机の前に黙って座る練習にもなるので、就学に向けた取り組みとしても効果的でしょう。
色彩感覚を養う
最初は1色2色しか使えなかったとしても、ぬり絵を繰り返すうちに多くの色を使い分けられるようになっていきます。多くの色が目の前に広がる楽しさを体感し、色彩感覚を養うことができます。
運筆能力の向上
子どもにとって鉛筆を強く握ってしっかりした線を引くというのは、難しいもの。でも、ぬり絵を通じて指先を動かしていれば、次第に筆づかい『運筆能力』が向上していきます。そうすれば、お絵描きや文字を書く作業へスムーズに移れる可能性が高まります。
自信を高める
幼少期に何よりも多く体験させたいのが「できた!」という達成感。ぬり絵は比較的短い時間で取り組めて、効果が見えやすいので、達成感を感じやすいのがメリットです。
ひとりでできた!という小さな成功体験を積み重ねることで、自信を高めていくことができます。
ぬり絵をするときの大事なサポートは“とにかくほめる”
たくさんの効果や能力向上が期待できるぬりえですが、それは楽しみながらやるからこそ。親があれこれ指図したり否定的なことばかり言っては、楽しいはずのぬり絵が一気に嫌なものになってしまいます。「あまり上手にぬれてないな」と心の中で思ったとしても、たくさんほめましょう。
「きれいにぬれているね」
「前よりもたくさん色を使えるようになったね」
「上手だね」
こんな前向きな言葉が、子どもをやる気にさせます。嬉しい、楽しい、もっとやりたい!そんな気持ちになれば、子どもなりに工夫を重ねてどんどん上達していきます。
普段の遊びに、ぬり絵を上手に取り入れてみてくださいね!
photo/PIXTA
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