五感をフル動員!子どもの心と体を育てる台所教育とは?
こんにちは!上級食育指導士の岡宏美です。
忙しい共働きママにとって、取り組みたいけどちょっと面倒…と思われるかもしれない「子どもの料理体験」。
ただでさえ目が離せないのに、怪我をする恐れのある台所で、子どもに料理を教えるなんて…大変だし、疲れちゃう…。
確かにそうですよね。
でも、料理体験をさせることには、子どもにとってとても良いメリットがあるんです!
今日はそのメリットと、料理体験時のポイントをご紹介します。
Contents
【料理体験がもたらすメリット】
料理というのは人間の持つ五感を全て使う作業です。
- 視覚…食材の色や形、そして盛り付けや食器を目で味わいます。
- 聴覚…グツグツ煮る、ジュージュー焼く、サクサク切る…様々な音を体験します。
- 嗅覚…食材の匂い、そして調理の過程で変化する匂いも体験できます。
- 味覚…味見や完成した料理を食べることで様々な味を知ります。
- 触覚…様々な食材に触れ、切ったり、混ぜたり、こねたり、と、手や道具を使って様々な動作をします。
五感をフル動員する料理は、ただテクニックを覚えるだけでなく、脳や神経を鍛え、思考力や感じる力を育てます。つまり、心と体を育てる教育になるのです。
また、調理前の食材に触れることで、「食とは命をいただくこと」だと理解し、調理には時間と手間がかかることを知れば、食のありがたみや、親や自然への感謝という気持ちも芽生えます。
【料理体験をさせる時のポイント】
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安全性を確認し、子どもにも理解させる
台所に立たせる前に、まずは子どもにとって危険がないかを確認します。
踏み台やまな板の安定性など注意が必要です。
次に、包丁やピーラー、スライサー、おろし金などの刃物の取り扱い方を具体的に説明しましょう。危険であることをしっかり認識させ、どうしたら切れるのか、切れる向き、触ってはいけない部分、使い終わった後の置き場所、洗い方など確認が必要です。
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最初にお手本を見せ、その後に子どもだけにやらせる
やりながら教えると、子どもとペースが合わず、結局ママがほとんどやりがちです。
そこで、最初にお手本を見せ、その後に子どもにやってもらいましょう。お手本を見せる時は、安全面の注意点も盛りこみながら、丁寧にゆっくり見せることが大切です。
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子どもが調理している時は手を出さない
後ろから手を添えたり、途中で交代したり、口うるさく声をかけたりすることは控えましょう。あくまでも子ども自身が最初から最後まで取り組むことが大切です。
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「おいしい?」と聞かない
料理が完成したら味見!
よく「おいしい?」と聞いてしまいがちですが、そう聞かれたら、子どもはイエスかノーしか答えがないのです。
せっかく五感をフルに使って調理したのですから、「どんな味?」と問いかけて、子どもに味を表現させましょう。
最初はつたない返事かもしれませんが、料理体験を続けていくことで、感じる力や表現力がぐんぐん育っていきますよ!
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慣れてきたら同時進行で数品目つくる
最初は短い工程のメニューでも、慣れてきたら、複数のメニューを同時に完成させることに挑戦してみましょう。すると「段取り」ができるようになり、思考力が育ちます。2歳でも一汁三菜が作れるんですよ。
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まとめ
五感の中で「味覚」を使うのはまさに料理だけです。料理体験を通じて、食に興味を持ってもらうことが何よりも大切です。そして自分一人で作ったんだ!という達成感が子どもに大きな自信を与えます。スキルだけでなく、自尊心も育てる大切な教育なのです。
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