役目を終えた雛人形はどうしたら良い?正しい処分の方法とは
3月3日は雛祭り。雛人形と桃の花を飾って、ちらし寿司とハマグリのお吸い物をいただくというご家庭は多いでしょう。
以前は、お雛様を片づけるのはなるべく早い方がいいと言われてきました。しかし現在は天候を見定めながら、一週間から10日後ぐらいに片づけるという人が多いようです。
では、片づけるのではなく処分するとなったら、いつどのようにしますか?
いつかはやってくる雛人形とのお別れについて考えてみましょう。
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お雛様を処分する時期はいつ?
雛人形のお内裏様とお雛様は天皇と皇后を模していて、二人のように幸せな結婚ができるようにとの願いが込められています。
このことから、昔は女の子が結婚するタイミングがゴールとされてきました。しかし時代は変化し、今や結婚だけがゴールとは限りません。子どもから大人の女性として成長したと感じられた時こそ、雛人形の役目を終えるタイミングです。
それは卒業や成人、就職などの節目かもしれませんし、ふとした日常の瞬間かもしれません。
雛人形は引き継がない
立派な雛人形が多いだけに、処分するのは気が進まないという人もいるでしょう。しかし、雛人形を他の人(子どもや孫も含めて)に引き継ぐのはNGと言われています。
雛人形には、厄災を人に変わって引き受けてくれる「人形(ひとがた)」としての役割があり、お守りと同じく一人に一つ用意するのが本来の形。その子の厄災を引き受けてくれるのが雛人形の役目なので、新しいものを用意する必要があるのです。
一方、現代の住宅事情や環境保全を考慮して、一家でひとつの雛人形を大事に守っていく考え方や、欲しい人に譲るという方法も広がりつつあります。いずれにしても、雛人形を大事に扱う気持ちが必要です。
処分方法は?
では、処分する場合はどのようにすればいいのでしょうか?
供養する方法
望ましいのは、役目を終えた雛人形に感謝して供養すること。供養を受け付けてくれる神社やお寺は少なくありません。
全国各地で雛人形を供養するイベントが行われているので、このようなイベントを利用して合同供養するのもよいでしょう。
一般社団法人の日本人形協会では供養の代行サービスを行っているので、こういったサービスを利用する方法もあります。
リサイクル
自治体のリサイクルセンターや買い取り業者を利用する方法があります。フリマアプリに出品してみるのも、ひとつの手ですよね。
また、老人ホームや保育園などの福祉施設でニーズがある場合があります。もし、そのような話を聞いたら申し出てみてはいかがでしょうか。
できれば避けたいけれど
割り切って不用品としゴミと出す手段もあります。自治体のごみの回収ルールに沿って出すか、民間業者に委託するやり方もあります。
リサイクル前にやっておくとよいこと
最後に飾る
これまで守ってくれた感謝をしつつ、汚れや付属品がなくなっていないかを確認する機会にもなります。
また、個人的な持ち物が紛れ込んでしまっている可能性もあるので、改めて箱から出すことで取り除く機会にもなります。リサイクルを考えているならば、ぜひ行ってください。
汚れを落とす
目につく汚れがあるならば、可能な限り落としたいもの。手にした方も、できればキレイな方が嬉しいですよね。しかし雛人形は繊細なので、ゴシゴシこすったり強い薬品を使うのは避けた方が無難でしょう。
付属品が揃っているか確認する
こちらも、次に受け取った方のことを考えた行動になります。雛人形は細かい付属品が多いもの。意外と無くなっていることも少なくありません。お内裏様の笏(しゃく)や太刀、お雛様の扇など、ないと恰好がつかない部品もあるので確認をおすすめします。
まとめ
案外見落としがちな雛人形の「その後」ですが、様々な処分方法や注意点があることがわかりました。
筆者にはまだ小さい娘がいて、立派な大人になって雛人形の役目を終える日を想像してしまいました。少々寂しくもあり、楽しみでもあり……。そんな親の思いも受け止める雛人形だけに、お別れの時はめいっぱい感謝したいと思います。
photo/PIXTA
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