大人のたしなみ〜今年こそ始めたい、自分でできる浴衣のお手入れ方法
夏になると、あちこちで開催される花火大会。他にも会社の同僚などと一緒に屋形船に乗るイベントなどを企画している方も多いのでは。そんな夏を満喫できるイベントとあれば、せっかくだったら浴衣を着て参加したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、浴衣はお手入れが面倒だと感じて敬遠してしまっていませんか?そろそろ大人のたしなみとして、浴衣を一着手に入れたい。そう思っている方に、自分でできる浴衣のお手入れ方法をご紹介します。
まずは脱いだ後のお手入れが肝心
おでかけ先から帰って来たら、着物ハンガーに浴衣をかけて、風通しのいい日陰で浴衣を干しましょう。夏の暑い日に着ることの多い浴衣。汗をかいてしまっていることも多いので、湿気をとることが大切です。もし汗が気になる箇所があれば、水を固く絞った綺麗なタオルで軽くたたいて、汗をタオルに移すようにしましょう。
浴衣を買った場所で着物ハンガーを手に入れることができなかった場合には、100円ショップなどでも販売されている、伸縮性のあるハンガーでも代用ができます。
食べこぼしの染みや襟元の汚れが気になる場合は、中性洗剤を使って部分洗いをしてもOKです。袖や裾など、歩いてできたシワが気になる場合は、アイロンをかけておきます。アイロンの温度は浴衣についている洗濯表示を確認してかけるようにしましょう。
浴衣の帯はシーズン最後に洗えばOK。何度も着る場合はその都度浴衣と同じようにハンガーにかけて日陰で半日以上干しましょう。
浴衣の洗濯方法
さすがにもう今年は浴衣は着ないだろう、というシーズンの終わりになったら、いよいよ洗濯です。
まず色落ちを確認します。白いタオルや布に中性洗剤をつけ浴衣の袖や裾などの目立たない箇所をこすった時に色がついたら色落ちのサイン。そうなれば自分では洗わずに専門店の浴衣クリーニングに出すほうがいいでしょう。
色落ちがなく自宅で洗濯する際には、まず浴衣をざっくりと畳み、洗濯ネットに入れて中性洗剤を使ってドライコースor手洗いコースで洗濯機にかけます。その際に、洗濯ネットのサイズがあまりに違いすぎるとシワの原因にもなりかねないので、大き目のちょうどいいサイズのネットに入れて洗うようにしましょう。衿元や裾、脇のあたりなど、汚れや汗染みがとくに気になる場合には、事前に部分的にも中性洗剤を染み込ませておいて、その後、洗濯機にかけるといいですよ。
あとは同様に着物ハンガーにかけて風通しのいい日陰で干し、完全に乾くのを待ちます。
浴衣の畳み方
浴衣が完全に乾いたら、きちんと畳みます。着物の畳み方には様々ありますが、浴衣は一般的には『本だたみ』と呼ばれる方法で畳みます。
- 裾を左、頭のほうを右にして、浴衣をキレイに伸ばして置きます。まずは広がった状態の着物を脇にそって畳みます。右身ごろが下にくるようにするとよいでしょう。
- 『おくみ線』と呼ばれるところまで折り返します。ちょうど浴衣の前身ごろを半分ほど折り返すイメージです。左右同様に行います。この時に襟部分を内側に入れ込みます。
- 左側の裾を右側のものと合わせます。身ごろがだぶつくのは気にせず、思い切ってやりましょう。この時に襟をキレイに整えるようにしましょう。
- 袖は左側だけを折り返して身ごろに重ねます。その後、裾部分を襟元まで持っていきます。
- 最後に、全体をひっくり返して右袖部分を返して揃え、完成です。
最後は畳紙に包みましょう
いよいよラストスパート。クローゼットやタンスの引き出しに入れて保管する際には、畳紙(たとうがみ)に入れましょう。
畳紙は和紙でできているため、吸湿性に優れ、型崩れが予防できる効果があります。金額は数百円のものから、数千円のものまでありますが、できればひとつ持っておくと浴衣も長持ちしていいですね。
浴衣をキレイに保管できる大人になろう
かつてはこうした情報は自分の親から教えてもらったりしたのでしょうが、現代ではなかなかそうもいかないものです。自分で一度やってみて、いつか子どもができたら、こうしたことをきちんと教えられる大人になりたいものです。
今年の夏、思いっきり浴衣を着る生活を愉しんだら、今回ご紹介した内容を参考に、来シーズン、さらにその先もまた着られるよう、しっかり保管方法を学んでおいてくださいね。
監修:鈴野寿子(家事代行サービスCaSy・お掃除研修講師)
photo/PIXTA
この記事を読んでいる人は
こんな記事も読んでいます