これからの季節はとくに要注意!布団に潜む怖〜いダニの駆除&予防策

20度を超える日もでてきて、だんだんと暖かくなってきました。冬用の布団や毛布をそのまま使っている方は、寝苦しくなってきたりしていませんか?片付けるのが面倒だからとそのまま使い続けていると、これからさらに暑くなってきた時に、布団がダニの温床になって大変なことになってしまうかも!

そうなる前に、しっかり原因と対策を学んでおきましょう。

なぜダニは布団に潜むのか?

ダニは高温多湿を好みます。我々が寝ている布団は通常、湿度が約50%、温度が30度以上にもなるといわれていて、ダニの格好の住処になってしまっているんです。

なぜ布団がこんなに高温多湿なのか。それは人が寝ている間にコップ1杯分(約200cc)もの汗をかくことに起因します。これが週7日となれば、約1.4リットルもの汗が布団に溜まっていることになりますね。汗だけではありません。皮膚やフケ、アカなども、ダニの大好物なんです。

温かく、湿度もあって、さらにエサもある……。これがダニが布団に発生する要因です。

ダニによる健康被害とは

ダニの発生は、わたしたちの体にいくつかの悪影響をおよぼします。

そのうちのひとつが、『ダニに刺される』というもの。ダニには大きく分けて3種類あります。9割近くは『チリダニ』と呼ばれるダニ。残り1割は『イエダニ』と『ツメダニ』と呼ばれるもので、人を刺すことがあります。腹部や太ももなど、人間の皮膚の中でも比較的柔らかい場所を好んで刺してきます。朝起きた時に、虫刺されのような赤いふくらみがあって、かゆい思いをしたことはありませんか?それは虫刺されではなく、ダニに刺された可能性が高いのです。こういった場合は、キンカンなどの虫刺されの薬は効果がありません。ステロイド系の市販薬か、それでも治りづらい場合には皮膚科を受診しましょう。

他にも、ダニの死がいやフンなどを吸い込むことで、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、結膜炎などの症状が現れることも。「花粉症も収まったはずなのに、まだ鼻水が止まらず、目がかゆい」といった方は、一度ダニによる症状であることを疑ったほうがいいかもしれません。

このように、ダニといっしょに生活をすることで、我々には少なからず健康被害がも出てしまうんですね。

ダニを駆除する方法は?

それでは、ダニはどのように駆除していけばいいのでしょうか?それはダニが苦手な環境を作ることが大事。ダニは50度以上の環境下では弱い生き物です。そのため、以下のような方法が有効。ご家庭で簡単にできる方法だけをご紹介します。

①布団乾燥機、またはコインランドリーを活用

布団乾燥機の使用はとっても効果的。家庭用のもので50度程度の風をあてて乾燥させましょう。20~30分程度続けることで、ダニの大半を死滅させることができるでしょう。布団乾燥機がない方は、コインランドリーの乾燥機を使うのもオススメ。家庭用のものよりも高温で約80~120度近い熱風で乾燥させることができます。速く、簡単に済ませたい場合はコインランドリーを活用しましょう。

②スチームアイロン

スチームアイロンを使って、高い熱でダニを死滅させることができます。ポイントは、実際に行う前に部屋を暗くしてから行うこと。ダニは夜行性なので、そうすることで活動が布団の表面に現れやすくなります。そこを狙って、あて布をしてスチームモードで布団の上からアイロンをあてましょう。アイロンをし終わった後は湿度が高い状態となっているので、布団を干して乾燥させるのをお忘れなく。

③干し袋に入れて天日干し

「布団を定期的に干しているから大丈夫」とたかをくくっている方はいませんか?実は布団を干しただけではほとんどのダニは死にません。そこでオススメなのが、ただ布団を干すだけではなく、『干し袋』に入れること。市販されている干し袋は大半が黒い色のものが多いため、ただ干すよりも太陽の熱を集めやすく、温度が高まりやすくなります。

予防策もお忘れなく

症状が出始めた時に一度は対策をとっても、すべてのダニを除去できるわけではありません。そこで、日ごろから予防策をとっておくことがとても大切になります。

①こまめなお掃除

ダニの大好物であるホコリを残さないような掃除を心掛けましょう。たとえば、枕元にたまった本やぬいぐるみなどはお掃除していますか?ホコリの放置はダニの発生に影響を与えてしまいますので、気をつけましょう。

②部屋干しはできるだけしない

ダニは6月~8月に産卵時期を迎え、かつ日本はこの時期、高温多湿の季節。ダニの発生量はピークに達します。そうした時期についついしてしまいがちな部屋干しですが、室内の湿度を上げてしまうため、あまりオススメはできません。できるだけ乾燥機を使うか、除湿器などを使って、部屋の湿度が必要以上に上がらないようにしましょう。

③直接フローリングに布団を敷かない

フローリングは畳と違い、湿度の調整力がありません。そのため、汗がずっと布団に溜まり続けてダニの温床になってしまうんです。下にスノコのようなものを敷いて高さを出し除湿効果を高めるなど、工夫をしましょう。

大きな健康被害になる前に対策を!

ダニは目に見えず、本当に自分が影響を受けているのかわかりませんよね。でも必ずといってもいいほど、布団にダニは潜んでいます。大きな健康被害になる前に、今一度ご自宅の寝具まわりの環境を見直してみてくださいね。

監修:鈴野寿子(家事代行サービスCaSy・お掃除研修講師)

photo/PIXTA

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