ご存じですか?シングルファザーの辛い子育て事情
シングルマザーの辛い現状についてスポットが当たることも多い昨今。しかし、実はシングルファザーもまた、子育てで辛い思いを抱いている人が多いことをご存じですか?
今回は、あまりスポットが当たりにくい、シングルファザーの子育て事情や辛さについてご紹介します。
■日本のシングルファザーの割合は?
厚生労働省が2014年に発表した「ひとり親家庭の支援について」によると、父子世帯は日本に約22.3万世帯いると言われています。
当時のシングルマザーの123.8万世帯に比べれば少ないものの、22万という数に驚いた人も多いのではないでしょうか。(※1)
また同資料では、約9万世帯が子供と父親のみで暮らす、いわゆる父子家庭となっています。つまり、仕事と子育てを両立せざるをえないシングルファザーが22万世帯中、約4割いるということになります。(※2)
これを見て、「親と同居していなくても、今の収入があれば問題ない」という人が多いかもしれませんが、残念ながらそううまくは行かないのがシングルファザーの難しいところ。
見方を変えれば、シングルマザーよりもシングルファザーの方が過酷な面も多いのです。
■実は辛いシングルファザーの子育て事情
シングルファザーの悩みのタネは、子育て面だけだと思っていませんか?実は収入面でも、苦境に立たされているシングルファザーは数多く存在しています。
先ほどご紹介した「ひとり親家庭の支援について」によると、父子家庭の平均年収は約380万円。母子家庭の約223万円に比べると高いものの、働きながら慣れない子育てをしていく上で、あまり余裕のある収入とはいえません。(※1)
実は離婚後、子育てや家事を行う必要性から、今までよりも収入の低い仕事に転職したり、パートやアルバイトとして働いたりする家庭が少なくないようです。
離婚後も同じように働き続けられるシングルファザーの多くは、親と同居していたり、親の援助を受けていたりすることがほとんど。親の援助を受けるのが難しい場合、今の仕事を続けるのが難しくなる男性が多いのです。
また、母子家庭では受けられる補助金が、父子家庭になると受けられないということもあります。お住いの地域によっては、収入面がかなり苦しくなるという事態は、どの家庭にも起こりえるのです。
また、シングルファザーの悩みは子育てにもあります。周りが母親中心に子育てをしている家庭ばかりだと、子育ての相談ができずに、一人で悩んでしまうことも多くなります。
相談できる相手がいないというのは、収入面以上に辛いかもしれません。
■シングルファザーが辛い子育てから脱するために
こうした状況から脱することは、決して容易ではありません。特に親の援助が受けられない場合や、周りにシングルファザーがいない場合は、なおのことです。
もしこうした状況に陥りそうになったら、NPOの存在を頼ってみることを、おすすめします。
シングルファザーや、父子家庭を支援するNPO団体を頼ることで、家事の面でも育児の面でも補助を受けられる可能性があります。
何より、話を聞いてくれる相手がいるというのは、精神的に救われるものです。
もしこれからシングルファザーや父子家庭になるかもしれない場合や、すでにシングルファザーとして辛い日々を送っているなら、ぜひ一度お近くの頼りになるNPO団体を検索してみてください。
【おわりに】
シングルファザーがうまく子育てを乗り切るコツは、相談できる相手を見つけることなのかもしれません。
誰にも相談できずに悩んでいるなら、一度行政やNPOなどにも相談してみてください。
引用データ
※1
ひとり親家庭の支援について(厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shien_01.pdf P3
※2
ひとり親家庭の支援について(厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shien_01.pdf P3の注意書き
参考資料
※内閣府:ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム第6回会合
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/zero_pro/k_6/gijishidai.html
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