他人事じゃない?女性もバリバリ働く時代で夫が専業主夫に?
共働き夫婦で「仕事を辞めたい」と思うのは、妻だけとは限りません。妻が大黒柱という家庭は、まだそう多くはありませんが、イクメンや家事大好きの“専業主夫”願望がある夫は、割合がじわじわ増えているようです。妻が働き、夫が家庭を守る。そんなスタイルを選ぶ理由や主夫のメリット、デメリット紹介します。
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■専業主夫は、あり・なし、どっち?
2010年の国の世論調査では、専業主夫の数は約6万人でした。専業主婦が690万人に対しての6万人ですから、決して多くはありませんが、2000年の約1万6,000人、2005年の約2万人に比べると、ドンと増えている印象ですね。
2009年に株式会社オーネットが実施した調査では、20〜30代の男性の約7割が「妻の収入が高ければ専業主夫になっても構わない」と回答しています。意識の上でも男性側の専業主夫に対するハードルは、低くなっているようです。
■「妻が大黒柱」を選ぶ夫婦の理由とは
○理由その1:リストラや倒産
大手企業が倒産することも珍しくない昨今、夫がリストラや勤め先の倒産で職を失い、期せずして専業主夫となることもあります。
○理由その2:病気で働けなくなる
うつ病や、腎・肝臓などを患うと、外で働くことが難しくなることがあります。自宅療養を兼ねて専業主夫として家事をこなします。
○理由その3:妻のキャリアの後押し
子どもが生まれたのを機に専業主夫となり、仕事でキャリアを積みたい妻のサポートに回ります。
ほかにも、育休を取ったら子育てにハマってしまって、なんていう場合もありますが、夫が主夫になる理由は、大きくこの3つに分かれるようです。
■主夫のデメリットとメリット
専業主夫は社会的認知度もあがり、割合も増えてもいますが、理解してもらえないことも多く、周囲の目が気になります。また、幼稚園や学校で活動している保護者はほとんどがお母さんなので、そこに一人飛び込むお父さんは孤独です。同じ境遇の人が少ないので、理解してくれる人も限られます。悩みを打ち明けられるのは妻だけ、という場合も少なくないでしょう。
男性としてのプライドが保てなかったり、妻に扶養されることがコンプレックスになったりする人もいます。
また、将来に対する不安も大きいようです。例えば、万が一、大黒柱の妻が亡くなった場合、遺族補償年金や遺族厚生年金は、夫である主夫は受給できないなど、主夫に対する社会支援制度は整っているとはいえないのが現状です。
一方で、主夫になって良い面もたくさんあります。家にいることが好きで、家事や育児が苦にならない人にとっては、会社に行かなくていい生活は、それだけでメリットと感じられるでしょう。
なんといっても、子どもと一緒に過ごす時間が長くなるのは、多くの主夫が、良かった点として挙げています。そして、子どもと行動を共にすることで、それまではとは違う視点で社会を見られるようになります。
■大黒柱の妻が注意したいこと
主夫になった夫に対して妻が気を付けたいことは、自分が家庭に入ったときに、嫌だなと思ったことはしないこと。また、夫の家事に文句をつけないことです。料理のこと、掃除や洗濯方法で目につくこともあるかもしれませんが、多少のことには目をつぶりましょう。もし、どうしても気になるときは、責めるのではなく、「こうしてほしいな」とお願いするのがおすすめです。
主夫になった夫はプライドが傷ついていたり、社会との接点がなくなって焦ったりしているかもしれません。そんな夫の環境は、きっと世の“働く夫”より、大黒柱になっても女性である妻のほうが、はるかに理解しやすいはず。家を守っていてくれることの心強さ、ありがたさを、いつも伝えていくようにすれば、夫婦としてお互いに成長していけるのではないでしょうか。
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