引越&物件探し前に要チェック!掃除を楽にするキッチンの選び方
毎日料理をしたり洗い物をしていると、当たり前ですがキッチンは少しずつ汚れていきます。気が付いたら汚れが目立ってきて慌てて掃除することになったりして、なかなか大変ですよね。
そこで、これから新築やリフォームをお考えの方から、新しく引越を検討している、料理好きな方にオススメの『掃除が楽になるキッチン選び』のポイントをご紹介します。オプションとして選べる物もあれば、メーカー独自の画期的なアイデアもありますので、気になった物はキッチンを選ぶ際のポイントとして、ぜひ押さえておきましょう。
Contents
【1】ワークトップ(天板・カウンター)
『ワークトップ』とはあまり聞きなれない言葉ですが、まな板を置いたり、調理をしたりする『天板・カウンター』を指します。
昔ながらのワークトップの主流はやはり、ステンレスですね。ステンレスは価格もそれほど高くなく、毎日のお掃除もしやすいので掃除を楽にするという点ではとても優秀な素材です。しかし素材の特性上、細かい傷がつきやすいのが弱点。最近では滑り止めや傷を目立たなくするなどの目的で、エンボス加工(ステンレス上が凹凸に浮き彫りになっている加工のこと)が施されていることも多いようです。
この、エンボス加工がデザイン的にちょっと気になるという方には、人工(人造)大理石がオススメです。人工大理石は、耐衝撃性に若干の不安がありましたが、最近ではその面でも改善されているようですので、毎日サッとお掃除できて、かつ傷がつきづらいのも嬉しいですよね。
他にも、海外でよく見かけるタイルワークトップもオシャレなのですが、時間が経過すると目地汚れが目立ってきてしまうので、お掃除という面からはあまりオススメできません。
【2】シンク
シンクもワークトップと同様に、ステンレスと人工(人造)大理石が主要な素材です。ホーロー素材もありますが、そのほとんどは輸入品になるでしょう。つまり、一般的にはステンレスと人工大理石の二択になるわけですが、どちらがいいのかは好みによると思います。
そこで、シンクは素材だけでなく、形状や水の流れ方、つなぎ目の段差の少なさを観点にして選ぶのがいいでしょう。シンク全体に傾斜があるものだと、料理や洗い物の中で発生したゴミなどが、水流によって排水口に自然と流れていくような造りに。そのため汚れが溜まりづらく、お掃除も楽でオススメです!
つなぎ目の段差については、最近のキッチンは比較的なくなってきているものの、古いキッチンだと段差が多い物もまだ見られますので、しっかりと触って確認しておきましょう。
【3】排水口
排水口はなんと言っても、シンクと一体成形されている物が一番楽にお掃除できます。昔ながらのキッチンでは、排水口にたくさんゴミが溜められるような作りになっており、1日の最後にシンクのゴミを集めるだけでよかったのですが、一体成形の排水口では、こまめにゴミを捨てる必要が出てきます。
これは一見、不便そうに感じるかもしれませんが、こまめにゴミを捨てることで、排水口のヌメリも減り、最後の掃除は今までより楽になるでしょう。また、最近のキッチンでは排水口が浅く、つなぎ目もない仕様が多くなってきていますので、掃除のハードルが下がっているとも考えられます。
【4】コンロ
コンロは大きく分けて、ガスコンロとIHクッキングヒーターの2種があります。ガスコンロを使っている人としては、「次こそは掃除が楽なIHクッキングヒーターにしたい」と思う方も多いかもしれませんが、最近のガスコンロはお掃除も楽になってきていますので、両方を検討してみましょう。
ガスコンロの場合は、ガラストップやガラスコートが比較的お掃除しやすく、耐久性にも優れているのでオススメです。お掃除が面倒そうなイメージがある五徳ですが、最近のものは小さくなっていて、簡単に取り外しができるものが多くなっています。すべて取り外して、スプレーと布巾でさっと拭きあげれば、キレイな状態を維持することができます。バーナーは煮こぼれが中に入りにくい物を選ぶといいでしょう。
IHクッキングヒーターの場合は、何よりもトッププレートができる限りフラットな物を選ぶようにしましょう。
【5】魚焼きグリル
使用後のお手入れが不便なので、あまり使う機会がないかもしれませんが、最近の魚焼きグリルはとてもお掃除が楽になってきているんです!
まず、魚焼きグリルで最も面倒だったのが、水を張った受け皿を洗うことだったのではないでしょうか?受け皿をシンクに運ぶまでに汚れた水をこぼしてしまったり、角ばった受け皿の汚れがなかなか落ちなかったりと、イライラすることもあったかもしれませんね。しかし、最近では『無水グリル』が主流になりつつあります。水を張ることなく魚が焼けるので、魚がパリッと焼けるのも嬉しいですよね。
また、水を張る必要がなくなったため、受け皿が以前より薄くて洗いやすい形状に進化しています。「魚焼きグリルは使わないからいらない」ではなく、一度ショールームなどで最新の物に触れてみて下さい。
【6】キッチン扉
キッチン扉はほとんどが水拭き可能ですので、お掃除は比較的に楽な部分と言えますね。ですから他のチェックポイントとして、凹凸が少なく、掃除のしやすい素材を選ぶことが挙げられます。樹脂シートを使っているタイプの扉ならば、油汚れが内部に浸透しにくいので長年使うキッチンでもお掃除が楽なので、嬉しいですよね。
そして、キッチン扉で忘れてはいけないのは、取手の形状。取手部分が飛び出しているバータイプは一見掃除がしやすそうですが、扉表面の掃除はしにくくなります。反対に、扉の横幅いっぱいについているラインタイプだと、扉表面の掃除がしやすい分、取手部分は掃除しにくいので、それぞれのメリット・デメリットを把握して選びましょう。
最近ではDIYでキッチンの扉部分にカッティングシートを貼る方も増えています。今、住んでいるお家のキッチン扉の汚れが気になる方は、こうした方法で回避するのも可能ですね。
【7】キャビネット内
キャビネット内は、たくさん収納できて掃除のしやすいものが理想的だと思います。
しかし、ただたくさん収納できても、食器や調理器具が山積みになっているキャビネットを掃除しようとは、なかなか思えないでしょう。そこで、キャビネット内は2段構造になっている物をオススメします。2段になっていれば、まとめて食器を出す手間も減り、「今日はこの段だけでも掃除しよう」と思えるので、キレイを保ちたい方には嬉しい仕様です。また、キャビネット内がオールステンレスになっているものも。それならカビや錆び、臭いの心配がなくて安心ですね。
【8】吊戸棚
掃除を楽にするためには、ワークトップの上に物を置かないようにするのが一番の近道ですが、調味料や水切りカゴはどうしてもすぐに使える場所に置いておきたいですよね。その悩みを吊戸棚が解消してくれます!
吊戸棚内に水切りカゴを設置できるキッチンもありますし、調味料ラックもとても便利です。吊戸棚を上手に活用することができれば、毎日の掃除が楽になるだけではなく、お料理の効率もアップできそうですね!
【9】キッチン壁
キッチンの壁は大きく分けてタイル、拭ける壁紙、ホーローに分かれます。タイルと拭ける壁紙が主流になると思いますが、タイルは目地汚れが気になりますので、あまりこまめに掃除ができないと思う方は、拭ける壁紙を選んだ方が無難かもしれません。
どうしてもタイルのキッチンに憧れているという方は、調理後に水回りと油ハネした部分だけでも毎日サッと掃除できるのであれば、選んでもさほど問題はないでしょう。
そして主流ではありませんが、キッチンの壁にホーローを使用しているものも。ホーローは油性マジックの汚れだってサッと拭くだけで取れてしまいますので、何よりもお掃除が苦手な方には検討の価値アリですね。
【10】キッチン前壁
最近の流行りの対面キッチンですが、キッチンの前壁も手を抜かずに選びましょう。キッチン壁やキッチン扉と同様に、素材にこだわることも大切ですし、長い目で見てお掃除を楽にするためには、オープンな棚をつけることはオススメしません。
オープンな棚は一見おしゃれですし、ちょっとした物を置くのに適していて便利そうですが、こうした“ちょっとした物”が山積みになってしまい、家が散らかってしまうもの。よほどきっちりお掃除ができる方以外は、引き出し付き収納にするか、フラットな壁にする方が無難ですね。
キッチン選びは、最初が肝心!
選ぶメーカーの商品によっても、性能や使い勝手が大きく変わるキッチン。ですから、選べる時にしっかりと吟味することが大切です。また、初めて一人暮らしをするという方は、実際に内見をする際にどのようなキッチンなのかをチェックしておいたほうがいいでしょう。
料理のしやすさやデザインも大切ですが、毎日のお掃除が楽になるかどうかということも考えながらキッチンを選べるといいですね!
監修:鈴野寿子(家事代行サービスCaSy・お掃除研修講師)
photo/PIXTA
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