祖父母のサポートが得られる?二世帯住宅という選択肢について考える
ここ何十年もの間、共働きの世帯は増加の一途をたどっています。一時は核家族化が進行していた日本ですが、この共働き世帯の増加に合わせるように、近年になって再び親世帯との同居や二世帯住宅を選ぶ家族が増えてきました。
共働き世帯にとって大きな課題のひとつが、子育てと仕事の両立です。この観点から、二世帯住宅という選択肢について考えていきましょう。
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■同居と二世帯住宅の違い
ひと口に二世帯住宅といっても、建物が同じだけで玄関から水回りまですべてがわかれているタイプもあれば、キッチンやお風呂など一部の設備だけがわかれているタイプもあり、その形はさまざまです。それに対して同居は、寝室以外すべて同じ住宅設備を使うことを指します。
同じ設備を使うということは、日常の中で触れ合う機会が多くなるということ。プライバシーや生活時間、家事の方法に対する考え方の違いがあれば、それがストレスとなって積み重なっていきます。
◼︎子育て世代が頼れる祖父母
一方子育て世代にとって祖父母は非常に頼れる存在でもあります。ちょっとした買い物の間子供を見ていてもらったり、急な熱で早退した時に迎えにいってもらったり。食事の支度などの日常的な家事を手伝ってくれる場合もあるでしょう。
あいさつやマナーなどのしつけは、親よりも祖父母の口から伝えたほうが効果的なケースもあります。高齢者と触れ合うことは、子供の視野を広げる上でも有効といえるのではないでしょうか。
【二世代住宅を選択する背景】
二世帯住宅に住む親世代は、以前のように夫の親だけではなく、妻の親も増えてきました。家事の主体となっているのはやはり女性なので、実の親子だと家事の方法の違いによる摩擦が比較的少ないためです。不満があればお互いに口にしやすいので、ストレスがたまりにくいということも関係しているようです。
親世帯からすると孫と頻繁に会えて楽しいことに加え、電子機器の設定を気軽に頼めたり、身体の様子を見守ってもらったりできるので心強いという点が二世帯住宅のメリット。親が持つ土地に子供が建物を建てるというケースが一般的ですが、近年の子供世帯の多くには、若いうちから十分な貯蓄ができる余裕がありません。
それに対して「子供が小さなうちに親世帯の助けを借りたい」というニーズもあり、建物にも親世帯の援助を受けて若いうちに二世帯住宅を建てるケースも増えています。
【成功する二世帯住宅】
「ストレスがたまるなら祖父母と離れて暮らせばいい」という考え方は、子育て世代にとって建設的ではありません(ただし親世代との関係による)。かといって親世代とべったり同居するのもやはりストレス。ちょうどよい距離感を保つためには、二世帯住宅であっても工夫が必要です。
孫の面倒を見てもらうなら、孫が遊びやすい空間を確保したり、掃除や料理をお願いするなら、自分たちのスペースにも入りやすい配置にしたり。寝室など入ってほしくない場所があるなら、そこだけカギをつけてもよいでしょう。生活時間が違うと音が気になるので、防音対策も忘れずに。
何かをひどく我慢した生活は、長続きしません。家事や費用の分担に対するルールを決めるなどして、ストレスのたまらない生活にすることが二世帯住宅成功の秘訣ではないでしょうか。
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