【実録】ワンオペ脱却!晴れてツーオペになるまでの壮絶夫婦バトル・後編
夫婦共働きの家庭が増加の一途をたどっているにも関わらず、家事分担は妻側に偏りがちで「負担が重い」という声が後を絶ちません。ひとりで家事や育児をこなすワン・オぺレーション、通称『ワンオペ』という言葉を聞くようになってずいぶん経ちました。そして、実は筆者もワンオペに悩んでいた当事者です。
しかし、ある方法を実践した結果、ワンオペの状況がかなり改善しました!
前編では、コトの発端や勃発した夫とのバトル、それに対して筆者が行った『タスクに分解した家事を図表にして夫に示す』という対処を試みたところまでご紹介しました。今回の後編は、その後の顛末についてです。
前編で紹介した『家事のタスク表』はこちら
図表/CaSyジャーナル
『事実』を『客観的に』分析して納得する理系の夫に、筆者が感じていた負荷を説明するため家事をタスクに分解して可視化した上の図表を作成しました。
どうよ!明らかにわたしの方が家事負担が重いでしょ!とばかりに鼻息荒く示すと、じっと表を見つめ続ける夫。「こんなに大変だったんだね。悪かったよ」という言葉を期待していたのですが、発せられたのは「だから何?」という、またもや予想外の言葉でした。
「何って……!こんなにわたしのやること多いんだよ!ちょっとは分担してよ!!」筆者は、怒りで息も絶え絶えです。
「じゃあ、どうしたらいいの?仕事をそこそこにして、毎日早く帰ってきて家事をやればいいってこと?」夫は憮然としています。
このような形で、互いに感情をむき出しにしたやりとりが続きました。話は平行線をたどるばかりで、着地点が見えません。確かに夫は長期的な出張も多く多忙です。そして、家計の面でも夫の収入の方が多いわけで。でも、それはわたしが家事育児の大部分を担っているからこそ、仕事に没頭できるからなわけで……。
だんだん論点がどこにあるかわからなくなり、しまいには『長時間労働の常態化が日本社会にもたらす弊害について』という、社会的なテーマにまで話が広がってしまいました……。
話は小休止。その後、不思議なことに……
ヒートアップするばかりなのでいったん話し合いを休止し、互いにその場を離れてクールダウンの時間を作りました。
根本解決はしていなかったのですが、実はこの時点で、筆者はだいぶ爽快な気持ちに。それは、心の中にあったモヤモヤを目に見える形で夫に示すことができたから。それだけで思いのほかスッキリしてしまった自分がいたのです(笑)。
一方の夫は、この時のことを、「痛いところをストレートに突かれただけに、素直にわかったと言えなかった」と後に言っていました。そして、さらに「実は負担をかけているのはわかっていたけれど、やってくれていることに甘えていた」とも。
甘えていた!!「ここかー」と思いました。
20代や30代前半位のカップルならばまた違うのでしょうが、われわれはいわゆる、団塊ジュニアの終わりかけ世代。つまり、『働く父と専業で家事を担う母』というモデルを間近で見てきた世代なんです。『女性が家事の主体を担う』という認識が夫の中に根付いてしまっているのですね。自分自身も「忙しい夫を支えて、家事をきちんとやらなきゃ!」という呪縛に囚われてしまい、完璧を求めすぎて疲れてしまっていたことに気づきました。
そして、夫が改善案として示した図表がこちら
図表/CaSyジャーナル
夫の方でも思うところがあったようで、しばらくして図表の修正を始めました。オレンジが変更点です。そのポイントはこちら。
- 早朝や夜遅い帰宅でも対応できそうな部分を夫の担当に移動
- 小2の長男にも担当を割り振ることに
- それまで平日でも対応していたタスクは気になっても手をつけないことに決めて、全部土日に回す
- あまり活用できていなかった、床掃除と拭き掃除のロボットもきちんと稼働させることに
- アイロンがけが必要な服は買い足さないようにしつつ、それ以外は大部分をクリーニングへ出すことに
タスクが減ったのももちろんですが、「理解してもらった」ということで精神的負担がかなり減りましたし、夫が色々と気にしてくれるようになったので、肉体的な負荷もだいぶ軽減されました。
この出来事を通じて感じたのは
『家事をタスク化・見える化した図表を夫に示す』方法は、旦那さんのタイプによってはむしろ逆効果の場合もあるでしょう。
具体的な方法が重要なのではなく、筆者が感じたのは、
- 感情的にならない(わが家は最初、感情的になってしまいましたが……)
- 互いの思いや気持ちを率直に伝え合う
- その時点での最適な解決策を夫婦で模索する
この3点が大切だと感じました。わが家にとって、図表はそのためのツールだったというわけです。
快適な生活を送るためには、日々発生する様々なタスクをこなしていかなければなりません。そして共働きが増えた今、家族だけでタスクを消化するのはとても大変です。
この問題が発生した2年前はわたしはまだ『CaSyジャーナル』に関わっておらず、知識がなかったこともあり『家事代行サービスを頼む』という発想が浮かびませんでした。しかし、今なら家庭内のタスクを外注して家族の大切な時間を生み出すことは、とても有意義だとわかります。実際、今はわが家も家事代行サービスを利用しています。
さて、前後編に渡ってお届けした今回の記事、いかがでしたでしょうか?タイトルに違わず、この時の夫婦バトルはかなり壮絶でした。ですが、これがあったからこそ、今の生活があるのかなと思っています。かなり赤裸々に書いてしまったので恥ずかしい部分もあるのですが、みなさんのお悩み解消に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
photo/PIXTA
この記事を読んでいる人は
こんな記事も読んでいます