大切なのは栄養バランスだけじゃない! 子育てママに気にしてほしい「噛む」食事。その効果と実践ポイント
こんにちは!上級食育指導士の岡宏美です。
子どもたちの好きなメニューといえばカレーライス、オムライス、ハンバーグ…などが定番ですよね。もちろんどれも美味しいのだけれど、実は子どもたちの好きなメニューの多くに共通しているのは「柔らかくて食べやすい」ことなのです。
もちろんそれは子どもだけではありません。現代人は昔に比べて柔らかいものをよく食しており、一回の食事での咀嚼回数は戦前の半分ほどになっていると言われています。
昔はよく「ちゃんと噛んで食べなさい」と言われたものですが、今は「何を食べるか」という点にばかり注意がいきがちで、咀嚼することにはあまり注意が払われていないように思われます。
しかし、よく噛んで食べることは、健康維持に多いに役立ち、そして子どもの発育にも大きな影響を及ぼします。
【「噛む」ことの効果って?】
●病気の予防になる!
たくさん噛むとだ液が多く分泌されますが、このだ液、実はすごい働きをしているのです。
食べ物を分解する酵素が含まれているのはもちろん、免疫力を高めたり、口腔内を殺菌する成分が含まれており、噛むだけで病気の予防につながることがわかっています。
また、だ液は食べ物に含まれる発ガン性物質を発生させる活性酸素を無毒化する、ということもわかっており、ガンの予防にも効果があると言われています。
●子どもの歯と顎の発達に不可欠!
最近は歯並びの悪い子どもや、顎が極端に細い子どもが増えてきたと言われていますが、十分に咀嚼しないため顎が発達しないことが原因と言われています。
顎が小さくても、生えてくる歯の本数は決まっていますので、きちんと収まらず、歯並びが悪くなってしまうのです。
歯並びが悪ければますます噛めなくなり、顎の力が育ちません。顎が正常に働かないと顔や頭が歪んでしまいますし、病気を予防してくれるだ液の分泌も悪くなります。
●ホルモン分泌にも影響!
だ液が出ることによって、一種の成長ホルモンの分泌が促されることもわかっています。このホルモンは皮膚や歯、髪などを成長させたり、胃腸の粘膜や血管を再生するホルモンです。
特に子どもの成長期にはしっかりと分泌させたい大切なホルモンですね。
●老化防止にも!
私たちは食事中、無意識に咀嚼していますが、実は噛んでいる間、脳は活発に働いています。特に固いものをしっかり噛んでいる時には、噛む強さを脳がコントロールして顎に命令を出していますので、噛む度に脳は活性化。脳の血液量も増加し、老化防止、ボケ防止になると言われています。
【もっと子どもに噛んで食べてもらうには】
子どもに「よく噛んで食べなさい」といっても、なかなか実践できないもの。必然的に噛まなくてはいけない食事メニューにしてしまうのが手っ取り早いですね!いくつか実践のポイントをご紹介します。
●具を大きく切る
煮物やカレーなど、できるだけ食材は大きく切るようにすれば、その分噛みごたえもアップ。自然とたくさん噛むようになります。圧力鍋で調理すれば具が大きくても、短い時間でしっかり中まで火が通りますので、忙しい共働きママにおすすめです。
●食事中飲み物を出さない
昔の人は食事が終わったらお茶を入れて飲む、というのが習慣でしたが、今は食事中に水分をとる人が多いようです。食事中に飲み物があると、よく噛まないうちに飲み物で流し込んでしまうことがあるため、お茶は食後に出すようにしましょう。
●できるだけ手作りの和食中心で
和食は魚や野菜、豆などが中心でよく噛まないと食べられないものが多いので、できるだけ和食中心の食卓にしたいですね。また、レトルト食品は柔らかく作られていますので、手作りがベターです。
●一人で食べさせない
一人で食べているとどうしても早食いになる傾向にあります。出来る限り家族で食べるようにしましょう。また、何かしながらの「ながら食べ」も早食いになりますので注意が必要です。
【まとめ】
よく噛んで食べるという習慣は、小さい時に身につければ一生ものです。自分でしっかり噛む力がつけば、歯を食いしばって踏ん張りのきく子どもに育つはず!今一度「噛む」ことの大切さを見直してはいかがでしょうか。
食べ物を分解する酵素が含まれているのはもちろん、免疫力を高めたり、口腔内を殺菌する成分が含まれており、噛むだけで病気の予防につながることがわかっています。
また、だ液は食べ物に含まれる発ガン性物質を発生させる活性酸素を無毒化する、ということもわかっており、ガンの予防にも効果があると言われています。
顎が小さくても、生えてくる歯の本数は決まっていますので、きちんと収まらず、歯並びが悪くなってしまうのです。
歯並びが悪ければますます噛めなくなり、顎の力が育ちません。顎が正常に働かないと顔や頭が歪んでしまいますし、病気を予防してくれるだ液の分泌も悪くなります。
特に子どもの成長期にはしっかりと分泌させたい大切なホルモンですね。
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