意識しておくだけでトラブル回避!復職時に押さえておきたい職場でのマナー
育児休業中は、とにかく子どものことでてんやわんや。とくに第一子の場合は、全てが初めての経験ですし、慣れないことの連続であたふたしてしまいますよね。しかし、いざ子どもの保育園が決まり、復職が具体的に迫ってくることで漠然とした不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?
ほぼ1年、人によってはそれ以上の期間、仕事から離れているわけですから、仕事と育児の両立に不安を感じるのは当然です。そして復職後、多くの人が経験するのが、目の回るような忙しさから、ついつい周囲へのフォローを忘れがちになることです。
そこで今回は、経験者の声を元に、復職してから意識しておくべき周囲へのマナーを紹介します。周囲への配慮は結果的に、復職後の仕事をやりやすくすることへもつながりますから、知っておいて損はありませんよ。
1: 仕事を1人で抱えこまない
「時短勤務だからという目で見られたくない、という思いが先行してしまい、産休に入る前と同じペースで社内の仕事を請け負っていました。結果的に家への持ち帰りが増えたり、抱えきれなくなって、ギリギリで人にお願いすることになったり……。はじめは、自分のキャパシティを把握していなかったことで周囲へ迷惑をかけることが多かったです」(IT関連会社勤務)
自分の都合で残業や休日出勤などができた時とは違い、保育園のお迎えなど制約が多い復職後は、どうしてもこれまでと同じペースでの仕事が難しくなります。そこで重要なのは、仕事を属人化させないこと。自分が対応できなくても、他の人が状況を把握できるように意識して仕事の“見える化”をしておくといいですね。
まずは以前のペースに戻そうとするよりも、周囲への報連相を怠らず、常に誰かと仕事を共有できる状態にしておきましょう。
2: 保育園からの呼び出し後のフォローは忘れずに
「保育園に預けて1〜2年はやはり子どもも体調を崩しやすく、よく保育園からの呼び出しで会社を早退していました。残した仕事は他の人がやってくれるのですが、やはりそれだけでは相手にばかり負担をかけてしまいます。自分自身も余裕のある時は他の人を手伝うということに、産休前以上に気を回すようにしています」(不動産会社勤務)
子どもが小さければ小さいほど、突発的に発熱したり、保育園から感染症をもらってきたりすることが多く、それに伴い、保育園からの呼び出しも多いものです。そんな時に、「子どもの体調が悪いから仕方がない」と開き直ってしまっては周囲からの心証も悪くなり、結果、自分にとって働きづらい環境を作ってしまうことになります。
ギブアンドテイクで、自分に余裕のある際は周囲の人を気遣う姿勢がとても大切です。
3: 周囲にイライラを振りまかない
復職して久々の仕事に疲れ果て、仕事から帰れば育児に奔走し……ママにとってはイライラしやすい環境です。実際に、そのイライラで失敗してしまったという人も。
「仕事でも家でも、なかなか日常のペースが掴めず、ついつい周囲の同僚に冷たい態度をとっていたようです。上司にそれとなく注意され、その時はイライラのせいで心の中で反抗していたのですが、仕事に余裕が出てきた頃に思い返すと、本当にひどい態度だったなと反省しました。周囲に優しい人が多いので、そうでなければ孤立していたかもしれません」(医療関係勤務)
仕事に育児……その両立の大変さを、周囲は本人が思うより理解しているものです。しかし、その理解に甘えてしまっていては、周囲との関係がギクシャクしてしまう原因になります。
イライラが溜まっている時は、なかなか自分のことを冷静に見られないもの。周囲への対応を折に触れて振り返りながら過ごすようにするといいですね。
4: 子どもの話にも配慮が必要
なかなか自分のペースで過ごすことができず、ストレスを溜めることが多くなる子育て期間。しかし、ふとした瞬間の子どもの笑顔やしぐさはやはり可愛いものです。一緒に働く同僚にもついつい共有したくなってしまいますが、実は子どもの話は人によっては少々配慮が必要になることも。
「会社でよく子どもの話をしていたのですが、実は話を聞いてくれていた人が不妊治療中だったということを後で知りました。知らなかったとはいえ、本人にはツラさもあったようで、申し訳ないことをしたなと反省しています」(メーカー勤務)
現代においては、子どもの話題はなかなかセンシティブになってしまうこともあります。子育て中はどうしても子ども中心の生活になり、自分の中で子ども以外の話題が減ってしまうため、他の話題を探すことが難しいという面もありますよね。まったく話さないことは難しくても、過度に子どもの話ばかりする、ということを避け、状況を見つつ話していく、という方法をとるのがよさそうです。
周囲へのマナーを意識して働きやすい環境づくりをしよう
どうしても、精神的にも体力的にも余裕がなくなってしまう復職直後。しかし、この時期こそが、今後自分にとって働きやすい環境を作り、上手に育児と仕事を両立させるということにおいて大切な時間になります。
過度に不安を抱えたり、心配したりせずに、まずは「自分が相手の立場だったらどうしてほしいか」という部分を頭に置いて、小さな気遣いから実践していきましょう。
次回は復職前だからこそ使っておきたい、家事代行サービスについてお届けします。以降も、復職前の心構えや準備に役立つ情報を公開していきますので、お楽しみに。
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